半世紀以上の顧客データを、
マーケティングに活用。
「当館には半世紀以上の歴史があり、その年月とともに顧客情報も蓄積されてきました。このデータを有効活用するべく導入したのがAccount Engagementでした。旧来より内製で発行していた紙ベースの郵送DMでは、担当者への負担が大きく、印刷代や郵送費のコスト削減も課題となっていました。」予約部 部長の飯塚さまは、こう振り返ります。
まずは、会員プログラムである「夢季倶楽部」の入会申込に、Account Engagementのフォームを活用。フロントでの手書き記入に比べ、客室・ロビーや、自宅でも登録が可能になりました。マーケティング・オートメーションでは、アクティブプロスペクト化することが重要になります。そのため、Emailアドレスのみの「仮登録フォーム」をすることで申込ハードルを下げた状態でアクティブプロスペクト化を実現し、あとから必要な情報を取得し会員増加に繋げています。
「従来の考えですと、顧客接点は予約や宿泊という行動が起点になります。会員登録フォーム設置後は、ご宿泊前から会員登録される方も増えており、タッチポイントが手前に増えたという実感があります。」(飯塚さま)
導入の狙い
●創業半世紀以上蓄積した顧客情報を、デジタルマーケティングに活かす。
●紙ベースの郵送DMから脱却し、顧客接点を増やしコストを削減。
●予約以前のタッチポイントを増やし、チャネル拡大を目指す。
PMS(ホテル管理システム)と
Account Engagementを、柔軟に連携。
同館の顧客情報は、OTA(Online Travel Agent:旅行サイトなど)からの予約を含め、すべてのデータがPMS(Property Management System・ホテル管理システム)に集約されていました。
これらPMSに存在する顧客データをAccount Engagementで扱うためには、まずはSalesforceとのデータ連携が必要になります。既存システムの制約や、扱うデータの種類に応じて、実際の業務を円滑に行うための設計が重要です。今回は顧客のプライマリキーが発行されるタイミングが宿泊確定時のため、それ以前の予約段階のデータをいかに扱うかに工夫が必要でした。
そこで、Salesforceのクライアントアプリケーション「データローダー」を使い、PMSとSalesforce間のデータ移行を柔軟に行う仕組みを構築。
「Salesforceの操作、Account Engagementの操作に加え、データローダーの操作も発生したため、当初は戸惑いました。基本的な使い方から複雑な活用法まで、手取り足取り教えていただきましたので、今では仕組みも理解し日々の運用を潤滑に行っています。」(木田さま)
郵送DMを廃止し、月4回のメルマガ発行。
ESによる自動お礼メールで顧客満足度向上に。
旧来の紙による郵送DMは、年5~6回程度の発行でした。これを廃止し、Account Engagementからのメルマガ発行に切り替え、月4回を目安にHTMLメールを配信。単純計算で情報提供量が8倍になったことになります。
「クリエイティブや分析など、毎回試行錯誤の連続です。開封率などのデータを蓄積することで、使えば使うほど効果が上がることを実感しています。」(木田さま)
宿泊後のお客さまには、Account Engagementの「Engagement Studio」を使用し、フォローメールを自動配信。PMSから出力される「最終宿泊日」をキーに、1~3日後に届くように設定しています。
「重要な点は、お客さまの『楽しかった』『満足した』といった感動が薄れる前に、お届けすること。適切なタイミングのフォローメールは、通常のメルマガに比べ開封率が高く、お礼メールに対して”お礼のメール”をくださるお客さまもいらっしゃいます。そこから開封率やリピート率などを計算し、次の施策へと繋げていっています。」(飯塚さま)
宿泊業のカスタマージャーニーはここで終わりではなく、ファンを増やし次のリピートに繋げることが重要なようです。「旬のイベント情報」や「新プラン・限定プラン情報」などをリアルタイムで発信することで、自社HPや直接お電話での予約も増えてきているといいます。
今後はAccount Engagementを活用した顧客満足度調査や、会員限定特典の設定、ページアクションを使用しお客さまの客さまのニーズに合わせたメールの配信に取り組みたいと考えられていらっしゃいます。
導入効果
●年数回の郵送メールから、月4回のメルマガ配信に移行。
●宿泊後のフォローメールを自動配信。顧客満足度が向上。
●パーソナライズされたデータ活用で、より丁寧な顧客フォローが実現。
この事例記事は、2022年12月時点の情報となります。