そのような状況下、日本赤十字社 神奈川県赤十字血液センターでは「献血構造改革」と銘打ち、さまざまな効率化・標準化に取り組んでいます。ベスト・プラクティスは、同センターのSales Cloud導入支援・Salesforce追加開発を担当させていただきました。
世界で活用実績のあるSalesforceで
同センター事業推進一部献血推進課は、企業や団体に献血を働きかけ、献血バス(移動採血車)の手配を行う活動を行っています。CRM(顧客関係管理システム)の選定にあたり、Web会員サービスをセールスフォース・ドットコム社のプラットフォームで構築していたこと、アメリカの赤十字をはじめ世界で多くの企業で導入実績のあるSales Cloudで進められたといいます。
Sales Cloud導入以前、顧客情報の詳細は各担当者のPCや手帳の中に埋もれがち。共有Excelファイルで行う献血バスの管理では、外出時に印刷する手間も多く、タイムリーな情報更新が難しかったといいます。
導入の狙い
属人的になっていた顧客管理を、クラウドで一元管理する。
献血バスの情報管理を統制し、タイムリーに効率良く行う。
1年後のウィークデーに、同内容の予定を自動生成
同センターでは、Sales Cloudの標準機能に加え、追加開発により献血バスの管理システムを構築しました。Salesforceではカスタムオブジェクト(独自のデータベーステーブル)を追加し、機能を拡張させることが可能です。
ユーザーインターフェースの設計では、使い慣れたExcelからスムーズに移行できるよう、できるだけ体裁を踏襲。年代別等の集計を顧客に提出するためのレポート機能、分単位の詳細な予定が記された連絡票(引継書)をExcelファイルで自動生成する機能を、コミュニケーションを密に取りながら進めていきます。
同センターならではの特徴的な機能として、献血実施終了の入力時に1年後の同じ曜日に同じ予定が自動生成できる仕組みが挙げられます。
導入以前の運用では、年度末にその年度の実績をもとに次年度の予定を暫定的に立てていたことから着想したといいます。
その際、企業が主体となるため、土日祝日を避けたウィークデーに登録されることがポイントとなります。
訪問先でiPadを活用し、休眠顧客の掘り起こしも
外出時の隙間時間にはiPad(Salesforce1アプリ)で入力し、じっくり取り組みたい場合はセンターに戻りPCで作業、と今では業務に欠かせないシステムになっているようです。
「あるとき訪問先に隣接する企業名を見て、ふと思い立ちその場でiPadから情報を参照しました。その企業は過去に献血実績があると分かり連絡したところ、献血のご協力を頂くことができました。」と、稲葉さまは振り返ります。
Salesforceでの基本的な機能が揃い、今後は活用しながら改善点を見つけ、ブラッシュアップしていく予定だといいます。
弊社としましても、輸血血液の確保という社会的に重要な取り組みのお手伝いができたことは非常に光栄で、意義のある開発であったと感じております。
導入効果
センター内外で関係者全員が情報を一元管理できるようになった。
iPadで隙間時間を有効活用でき、業務の効率化に貢献。
この事例記事は、2019年12月時点の情報となります。