コンサルティングという複雑なサービスを、Sales Cloudの標準機能と独自機能追加でいかに活用するか。その取り組みを紹介します。
カスタムオブジェクトを標準に戻す
ベスト・プラクティスがSales Cloudの機能追加に関して、同社から相談を頂いたのは2018年初めのこと。既に導入後1年近く経過し、これから本格的に活用するといったフェーズでした。
グループウェアからの乗り換えで、本格的な顧客管理・商談管理を行う予定でしたが、ここで想定外のことが起こっていました。
初期導入の担当企業が、商談管理にSales Cloud標準の「商談」機能を使わず、カスタムオブジェクト(独自のデータベーステーブル)で構築していたのです。
これにより、レポート参照の際に追加作業を要したり、 Salesforce Einstein導入を視野に入れたデータベース設計に不安を感じていたようでした。
確かに、コンサルティングや保険といった特性の異なる商品を扱う同社の場合、商談管理は複雑になりがち。例えば、生命保険では証券番号や保険期間など、ファンド案件では投資持分、評価額、分配金の受取口座、というように、重視する項目が異なります。その数も10におよびます。
また、お客さまの「資産ポートフォリオを可視化」することも、Sales Cloud導入目的のひとつでありました。
導入の狙い
商談管理を標準オブジェクトに戻し、Salesforce本来の機能をフルに活用する。
お客さまの資産ポートフォリオの可視化で、コンサルティングの質を底上げ。
仕組み化/情報共有で、営業効率のアップ。
Sales Cloudは、最適時期を逃さないポートフォリオ
まず商談を標準オブジェクトで利用するため改修を行いました。商品カテゴリをカスタムオブジェクトで構築し、その配下に各商品のデータベースを、それぞれの特性に応じた内容で構築します。
「保険商品でお客さまの資産を最適に管理するためには、“解約返戻率”が最大化される時期を計算し、そのタイミングを逃さないことが重要になります。今回の機能追加により、お客さまごとにSales Cloudで自動計算し、最適な時期に担当コンサルタントへToDo通知する仕組みができました。この他にもToDoは数種類あり、コンサルタントがうっかり忘れてしまうということはありません。」川口さまはこのように評価します。
Sales Cloud上の顧客データは、コンサルティングに活用できる点はもちろん、それ自体がポートフォリオになる価値が大きいといいます。
freee連携により、正確な数字をリアルタイムで把握
「Sales Cloud導入当初、受注した商談は“売上”として管理していました。実際の経理処理や請求書発行は、別の経理システムを利用していたため、2つの環境にデータが存在するため、Sales Cloudの数値が最終的なものとは限らず、請求書の発行は各コンサルタントが経理部門に依頼をする必要がありました。」川口さまは、こう振り返ります。
Salesforceの商談をfreeeに連携することで、これらの問題が解決。担当コンサルタントが自身のタイミングで請求書を発行できるようになり、正確な売上はSales Cloudでリアルタイムに把握できるようになりました。
加えて、複数の担当が関わる商談では、コンサルタントの貢献度に応じて按分管理できる仕組みも開発。公正な営業評価に繋がっているといいます。
ベスト・プラクティスでは、お客さま独自の課題解決・ご要件に応じることができたと考え、今後もきめ細かなご支援を続けたいと考えております。
導入効果
レポート作成業務が不要になり、大幅な時間削減。
重要事項をコンサルタントへToDo通知し、抜け/漏れは皆無に。
正確な商談・売上数字が、リアルタイムで把握できるように。
この事例記事は、2020年1月時点の情報となります。